RPGツクール素材メモ とかティラノスクリプトの話とか

同人RPGの制作で役立ちそうなスクリプト・プラグイン素材を書き留めておく

(同人誌)0からはじめるSpineアニメーション

booth.pm

なんでも技術書典7にて頒布された薄い本らしく、
本当に技書博やら技術書典やら、技術書の即売会は文化を変えたね、などという感慨があるものだ。
(まぁ無かったら無かったで、amazon kindleででも出されていたんだろうか? 分からんが……。
少なくとも即売会ーそのPDFをboothで販売とした方が、マージン的にもコスト的にもかなり軽くはある)

で表紙などを省くと30ページ弱のボリュームで、逐一カラーのスクショが貼られ、操作説明をしてくれている……。
勘の良いニキなら気付かれたと思うが、
そうなると余りにも全体をさっとなぞる感じにはなっており、
例えば基本中の基本、「ボーンの作成」だとこの説明(のみ)。↓

ボーンの作成
Toolsから作成(N)を選択。動かしたいパーツにボーンを作成していきます。

そうかなあ!?
俺、他にも色々説明読んだけど、もうちょっと踏まえる所とかあった気がするなあ!?

昔、商業で唯一の書籍だった

Spineでつくる2Dイラストアニメーション―「イラスト」を「ボーン」で動かす! (I・O BOOKS)

を買ったのだが、まぁこれが説明以外には毒にも薬にもならぬ内容、
そして当時spineはまだ出始めたばかりのツールであって、どんどんUIも変わって行き、
完全に役立たずの本と化したのだが、
(今年に入って、同じ筆者から

Spineではじめる2Dアニメーション入門 (I・O BOOKS)

が出ているようなので、アップデートされたのかも知れない)

本書はそれにも増して30ページ弱の本って事だよね。

もちろん機能を全て網羅している訳ではないし、説明も上記のようにほんの一、二行、
あと「photoshopを使っていると、レイヤとか画像構成をJSON形式で吐き出せて楽ですよ」
「AftterEfeectsでよりエモーショナルな絵作りを」みたいなページまであるという、ね……
(該当ツールの契約をしてない者には、有り難みゼロな情報…)

じゃあ全然ダメだったかというと、案外これがそこそこ参考になりはした。
第一に、この薄い本が出されたのが去年の9月くらいであって
(少なくとも現況では)ちゃんと最新のUIに準拠した説明がされている、
あと今のspineは日本語訳されているが、訳された事でむしろ意味が取りづらいなあ、みたいになってる用語も
ちょっと説明を添えてくれて、気が利いてたり。
あと上記のボーン説明に顕著だが、むしろ説明が簡素な事により
「こんなもの、簡単なんだよ」
という雰囲気になってくる。
確かに自分がwebでぐぐった時にはボーンにはあれこれと難しい説明や気を付ける事も出てきたし、
そういうやり方もあるらしいのだが、
とりあえず最新のUIに沿った一、二行の説明に従うと、
きちんと動く物になる、これは良かった。

「これを出来れば最低限、上手く行く」を知っている事は、「それ以外」の探求も容易にさせる。

何となく自分の中で抱いていた、spineはややこしい奴だ、かなわん、という印象を払拭するのに一枚買ってくれたと思う。
情報量が薄い、絞り込むって事にも意味があるものですよ……。
(これは初心者用の本としては、凄く有用なんじゃないだろうか)

今は他の機能をspineの公式ウェブサイトから知ろうと読んでいるが、
一応大部分は日本語化されているものの、やっぱムズいしねえ……。

一応書いておくと、あくまで初心者用であって、
例えばspineのデータ構造がどういう風に構築されているか、
こういうイベントに対応させたい時にはこういうコードを……みたいなのでは無いので注意だ。
(むしろそういう、中・上級者向けの薄い本も猛烈に欲しい……)

むしろこの薄い本の筆者さんはアニメが専門職らしく、
30ページでスクショも交えて・手順を説明して、という忙しさの中で、
稀に明らかに熱量が違う、「アニメの質を上げる為の工夫」が数ページに渡って語られたりする。
そこは今後もし色んなspine本が出たとしても、
結構有用であり、特徴的な所になるのではないかなと思う。
(一例を挙げると、「正面向きの絵をアニメさせるより、斜め向きの絵をアニメさせる方が立体感が出やすい」
「立ちポーズにしろ、手前側より奥側の足を少し短くすると、メリハリあるポーズを決められる」
「人を動かす時は”腰”を意識(ごめん、この辺りはあんまり読んでても腹に落とせなかった……)」
など……。
心得ある人には当たり前の事かも知れないけど、ふはーと射抜かれたものである)