RPGツクール素材メモ とかティラノスクリプトの話とか

同人RPGの制作で役立ちそうなスクリプト・プラグイン素材を書き留めておく

技書博(技術書同人誌博覧会)2で買った同人誌について一覧、感想

夕匕゜才カ

booth.pm

この題名は検索泣かせではなかろうか、タイトルからして分かる通り
「『タピオカ』のタを夕方の”夕”に、カを”力(ちから)”に変えたら分からないんじゃないか」
なんて煽りの元に、書き下ろされた薄い本。
明朝体だと漢字の特徴が出やすいのでゴシック体にしたりして、タピオカと夕ピオ力、100人に見分けられるかのアンケートを行ったり、
出力したものを画像解析で比較したり。
分類するならいわゆるフォント本であろうか、
しかし何故かフルカラーであり、本題とは別にタピオカの製造工程が同時進行していく。いかにも同人誌である

分散SNS萬本vol.1

booth.pm

Twitterで突然表現規制が始まったり、BANされたり。
中央集権型のSNSから離れ、もっと持続可能な分散SNSを志向しよう! という趣旨の本。
マストドンなどが思い浮かぶ所だろうが、
あれは言うなれば分散SNS上で言うTwitterの代替。
例えば他に、インスタグラム風、youtube風などの分散SNSが色々あるらしい。
それら全てを指してFediverseと言う……らしいのだが、
↑この用語自体、大して解説もなく説明に入ってる辺り、いかにも同人本である。

分散SNSに参加し、また運営していく上でのコツなどが語られるが、
「もしもの為に第二・第三の連絡手段を」とまで来ると、何だ、政府にでも狙われてるのか……? となり、
読み進める程に、やっぱり僕は多少イラつくにしても中央集権型(ふつうの)で良いです……という気分にはなるか。

探求 SVGスクリーンショット

gishohaku.dev

HTMLでベクタ画像を扱える技術=SVGの基本仕様から始まり、
その後は作者の秘中の秘という感じの技術(2016年頃からブログで発表してるけど、余り流行ってない、の文言が寂しい…)
SVGを用いたスクリーンショット、という技法に入っていく。
これを行うと、見た目は画像スクショなのだが、画像中のリンクが、SVGの当たり判定を経て、本当にリンクになってたりする。らしい。
(まだ自分も詳しく読んでないのでアレだが)

おまけとしてGoogle chromeオープンソース版、chromiumソースコードを読んでみたり、
PNGのバイナリから仕様の答え合わせをしてみたり(これを読んで初めて、チャンク、という用語の意味が分かった……)
博士の異常な愛情、もとい、技術屋の迷走? が愛おしい本。

ゲームはなにで出来ている?(モバイルゲーム100本から見えるライセンス表記、モバイルゲームスタッフクレジット事情)

nagara-studio.booth.pm

誰もが気にはしてるだろうけど、面倒なのでやらない作業、すなわちモバイルゲームで使われてる素材表記などを100本ぶん調べ、
多く使われてる物をリストアップした本。
作者さんがUnity使いなのでそちらのアセット、ライブラリなどを中心に挙げている。
挙げられたものがどれだけメジャーか私は分からぬが、もしかしたら人によっては、かなり参考になりそうな気配が。
(同様のアセットを用いてる有名商業作品を記載しているのも嬉しい)

例えばアニメツールとしては自分も35000円を出して買ったspineが挙げられており、
欄外コラムとしてAnyportraitというのを挙げてる、という具合。

そして一番の闇は、調べた50%はクレジット表記がされてねえ……みたいな所でしょうか。

個人開発備忘録

nagara-studio.booth.pm

『ゲームはなにで出来ている?』と同じ筆者。
明らかに推敲してないんだろうな、みたいな句読点の区切りが少ないグダグダした文体と、
本に載せるには解像度を1/2くらい間違えてる、粗いゆるふわなイラストがたまらなく同人だ。

だが本に載ってる事は(読み取りにくさはあるものの…)かなり実感の伴ったノウハウで、
4・5人くらいだろうか(まずその規模が書かれてないので測りづらいのだが)
同人としては程々のチーム規模で、1ヶ月でゲーム製作した時の話が載っている。

会社での業務と違い、同人で人が集まった時に要注意なのは、
それぞれの割り当て時間が全然違うこと。
つまりニートで1日十何時間でも詰めれる奴もいるかも知れないし、会社員で、1日に数時間しか加われる者もいる、
朝型もいれば夜型もいる。
それらの人達は同じようには扱えないぞ、と。

後は、これからゲームを制作するに当たって、「あのゲームのあれみたいに」と指し示せるよう、
”共通言語”となる題材を皆で遊んでおくこと、であったり、
数日とか反応が途切れれば、それっきりってケースも当然起きやすい、
逆にプロジェクトへの興味が多いほど、完成の確率は高くなるハズ。
discordで複数のチャンネルを立ち上げてみたり(正式な議論だけじゃなく、ちょっとした話題用とかも)
意欲をどう向かわせるか。
その上で、(会社業務では意識しない)事務方の有り難さである、
特に調整役として一人専属が欲しい……と嘆いてみたり、リアルである。
(筆者はプログラマーのようなので、集中してる時に、
それぞれ時間も情報度も違う相手から、連絡されて中断するのが辛いんでしょうね)

ゲーム開発者のためのごった煮同人誌

news.nicovideo.jp

買った殆どの本は500円か1000円だったのだが、これだけ100円であった。
それもそのはず、非営利法人であるIGDAの発刊なのである。
IGDA=国際ゲーム開発者協会。

という事で、その会員たちによる寄稿集。
基本的に専門学校の先生なんかが多いらしく、学生向けにコミットしていけるゲームコンテストや場の紹介であったり、
「ゲームシナリオとは何か?」を生徒たちに問うてみたり。
穿った見方だが、私(111)がフリーゲーム制作を始めた15年くらい前とはまったく様相の異なる、
世界ぐるみ、組織ぐるみでゲームを飯の種にしようと、
方法論やら舞台を固めているんだなあ、というチカラを感じたり。

こうしておけば大丈夫ですよと教える人、そしてそうしておけばとりあえず露出を与えられるメディア。
その中から成功例。
登壇、アワード、ゲームショウ
まぁ111などは小賢しいなどと思うものの、でもそうして才能と知見が溜まるのは確かであって、
業界が成熟するってそういう事かね……。

ゲーム制作術のトピックとしては、ARGがなかなか新鮮であった。
ARG=とある話題で検索して、特設のサイトなんかを訪れると、謎めいた用語やリンクがあり、
更に辿っていくと、じょじょに全容が見えて行く……みたいな(伝わっているだろうか?)
webページを検索する事自体を、広告やゲーム体験と見なしてる、みたいな。
FLASH全盛期の頃に、日本のフリゲでもこういうゲームがあった記憶だが(ホラーとかで?)
あんまり思い出せない)
ARGっていうらしいのだ、そういうの。
そしてアメリカとかだと映画のマーケティングとも絡んで、割と大きいパイなんだって。ふーん。
今回、買った本の中で一番有意義だったかも知れぬ。100円だし……
vol2...と続刊が続いて欲しいところ。

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あと今回の技書博で私的に有り難かったのは、即売会の広い会場の床って大体コンクリート打ちっぱなしだったり、
自分としては割とすぐ足が痛くなってしまうのだけど、
今回の会場は古いものの、床がじゅうたん敷きとなっていて、嬉しかった。人権を感じられた。
なにやら入場チケット購入組には(混雑解消のため、1時間ごとに入退場さすのだ、後半になると自由だが)
豪華なお弁当なども出たと聞く。

パンフレットによると、こういう面白い即売会とかはだいたい東京やんけって人の為に、
地方開催とかも検討したり、取り組んでいく様子?

あ、あと虎の穴の開発ブログ……、

toranoana-lab.hatenablog.com

頒布終了後に、「とらラボありますか?」と立ち寄っていただく方もいらっしゃりありがたかったです。

これ、たぶん私ですね……。(いや私以外にも居たのかもですが……)
など、比較的小さいイベントならではの足跡、生きた証を残したりしつつ。

*このテキストはエミリアブロマガに寄稿した文章を転載しました。